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まずは、このCNNの5月3日付けの記事を見てほしい。
http://www.cnn.co.jp/business/35031632.html 同じ記事が、日経新聞他多くのメディアに出ている。 昨年11月のバングラデシュの縫製工場の大規模な火災は、同工場に商品のディスニーライセンス商品の生産を委託していた、シアーズやウォルマートなどを通じて、ディズニーに衝撃を与えた。 半年近い検討の末、ディズニーはバングラデシュ、ベネズエラ、ベラルーシ、パキスタン、エクアドルの5カ国でのライセンス商品の生産を中止するように、ライセンシー、ベンダーに通達を出した。 「慎重に検討し、議論した結果、これが最も責任ある方法だと判断した」。ディズニーのキャラクター商品を扱うコンシューマー・プロダクツ部門のボブ・チャペク社長はこう説明している。 ディズニーは、かねてからライセンシーの委託工場に対して厳しい基準を設定し、これをクリアしない工場を認定しない方式をとってきた。これは何もディズニーに限ったことではなく、多くの大手ライセンサーが、その程度に差こそあれやってきたことである。しかし、ディズニーは3月にこの基準を改定し、その際に5カ国を生産地の対象から外したのである。 一見、これは消費者を守るという意味で歓迎されるべきことであるかのように見える。しかし、ディズニーの巨大な生産の1%を担う、バングラデシュでは、これにより多くの人々が職を失うことになるであろう。 僕は、東京スタイルに3年、リーバイスに9年、その後勤めたバーレッカジャパンという外資系のライセンス管理会社に9年、この間、ずっと海外での商品生産に関わってきた、バーレッカもライセンス管理会社でありながら、一方でコカ・コーラやラッセルアスレチック、オシュコシュビゴッシュなどの商品を海外で作っていたのだ。 その時、どの会社にクォリティコントロール担当のディレクタークラスの人間がいて(特にリーバイス)、彼らは、海外の縫製工場に行き、年に1週間程度滞在し、縫製のやり方から、新しい機械(ジーンズで言えば、米国ユニオン社のミシンなど)の使い方、効率的な工場ラインの設定、掃除の仕方、従業員の数とトイレ、水飲み場の数、そのトイレに置く石けんの数、寮がある場合、男女別になっているかなど、実に細かくチェックして指導をしていた。その結果、日本、中国、東南アジア、インド、バングラデシュ、南米、アフリカなどのリーバイスの工場は飛躍的に、高効率で清潔で安全な工場になった。 火災が起こるというのは、工場の掃除が行き届いていないために、床に綿くずが積もって、これが舞い上がり、ミシンやアイロンの火花や熱で発火するのである。これは、レベルの低い縫製工場につきものの良く知られたごくごく初期的なトラブルです。 僕は、長いことメーカーにいて、そしてライセンスでもコーポレイトライセンスを中心にやってきた為に、そこでもコカ・コーラ、ラッセル、テキサコ、オシュコシュ、ハインツなどのメーカーと付き合ってきた。メーカーの人間は、工場に対して厳しく、また愛情をもって、ミスやトラブルを訂正改善していくのが使命と思っている。 今回のディズニーのやり方は、その意味で僕にはやや一方的にすぎるように見える。すでにアパレル企業がほとんど存在しないアメリカのアパレル業界は、リテールや、ライセンサーが直接、海外の工場のクォリティをチェックし改善していかなければならないのではないだろうか。それが世界一のプロパティホルダーの課せられた責任なのでは?? 基準だけ厳しくして、それをクリアしないから排除というのは、簡単なトラブル解決法であり、それが間違っているとは言えないが、その解決方法から一歩進まないといけないのではないだろうか? それも、縫製のレベルがなかなかあがらないとか、ホルムアルデヒドが高いとかいうことならば、まだ理解できるが、(もしかしてそのようなこともあったのかもしれないが)今回の直接の原因は火災。 アパレルメーカーなら50年前からまず最初に安全性の確保のために、工場を指導する点である。そのくらいの指導はディズニーとして責任を持ってすべきではないのか。アメリカというのは、民主主義だけでなく、安全性も発展途上国に教える国ではなかったのかと思う。 ディズニーの工場に対する姿勢を示唆する資料として、ウィキペディアがある。 http://ja.wikipedia.org/wiki/ウォルト・ディズニー・カンパニー ウィキペディアの記事のかなり下のところに「ウォルト・ディズニー社と人権問題」という項があります。(注:ウィキペディアは、多くの人の書き込みで成り立っているサイトで、そこに書いてあることが真実であるかについては、責任はとっておりません。) リーバイスの今の業績は褒められたものではない。しかし、彼らが育てた工場は今でも立派にジーンズを作り続けている。僕がマーチャンダイザーをしていた時の、日本でのクォリティコントロールマネージャーは、その後サラ・リーで活躍し、今はラルフ・ローレンの海外工場のチェックと育成を行っている。 ライセンス業界は、今後メーカーが無くなっていく世界の中で、その責任を肩代わりしていかなければいけないのではないだろうか、というのが、今日の記事を見て僕が感じたことです。一方で、ライセンス業をしている会社が、そこまでやる必要があるか、と言う意見はあるだろうとは思う。 あー、けっこう過激なことを書いてしまったなー。
by Licensing
| 2013-05-08 20:51
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